先日、次男の中学(国立)保護者会に参加した時のこと。各教科からの連絡の中で、英語の先生が、日本人と韓国人は英語を使わなくても一生暮らしていける環境にあるため、圧倒的に英語学習には不利であり、日本国内に溢れるカタカナ英語をうまく”英語”に紐づけできれば、子供たちの語彙は格段にアップするはずです、というコメントがありました。お話の本意は新たに語彙をうまく増やせるようなテキストを、生徒たちに購入して良いかという確認にあったのですが、テキストが3,000円を超えるため、お金をかけることが上達に関係するということもちらりと本音として話されていました。
確かに、子供たちに大学受験まで経験させてみると、受験英語力を身に着けるには、経済的投資がモノを言うことが身に沁みます。塾、予備校、はたまた通信教育など、そうしたところで訓練せずに受験に挑めるのは、帰国子女や留学など、否が応でも英語を使う環境にあったコ以外には、絶対的少数派かと思われます。
我が家の長男も、中学時代遊びに遊び抜いたため、定期試験前の超人的集中力で中位クラスにはとどまったものの、到底大学受験で戦える武器にはなりようもないレベルで中3を迎えました。
そこで危機感を覚えた本人は、私達親に頭を下げて1年間の留学に行かせてほしいと、一発逆転の博打に打って出たのです。様々な取り決めをし、必ず守ることと約束をさせ、当時1ドルが82円だった(!)こともあり、送り出してあげることにしました。帰国してみると、大学入試向けの模試ですぐさま高得点を弾き出すというよりも、英語への抵抗感や苦手意識がオールクリアされ、さらに英語的センスを身に着けたため、帰国時点からの英語学習でめきめきと力をつけました。最終的には今年4月の時点でTOEIC900超えまでレベルアップができましたが、これは留学をしなければまず出せなかった数字だと思います。
巷で話題になったビリギャルさえ然り。彼女の場合も、何時間でも塾に通えるという資金投下が、1年間で慶應に合格できる力を身に着けるための十分条件であったと言えるでしょう。
では、経済力がなければ英語は極められないのでしょうか。
いえいえ、もちろん答えはノーであり、その最大の方法は、コツコツと取り組んでいくこと。他の教科と違い、積み上げの教科ですから、面倒がらずに取組み、十分戦える実力を身に着けていたコもいました。
先に挙げた2つの例の共通点は、通常よりも早く身に付けたい場合の実例です。本来ならば中学1年から予習復習演習とやっていればよかったのに(親も法外な出費をせずに済みましたし)、さぼったツケを3倍速で返そうとした長男。1年で慶應に合格する、偏差値40上げるというとてつもない目標を掲げたビリギャル。
焦らなければ方法はあるでしょう。
大学入試改革が行われれば、ますます中学時代からの地道な努力がモノを言う、付け焼刃では戦えない受験になるということは、想像に難くありません。
これから中学受験をされるお子さん方からは、ビリギャルは生まれなくなるかもしれませんね。
作者:Celine
大学1年生、浪人生、国立中学生の3人の母。某大手中学受験塾にて講師、普段は秘書職