※写真:タンザニアに住む狩猟採集民族ハッザ族(本文との関係はこの記事を最後まで読んだら分かります)
世の受験生の皆さんはセンター試験も終わって、ここから最後の追い込みですかね。とにかく悔いの無いようちばりよー!
さて今回から全3回に渡って話題にするのは僕が最近気になったとある学校についてです。あまりにも気になったのでインターネットで調べられるだけ調べましたが結局飽き足らず、実際に見学に行かせてもらいました。
その結果やっぱり面白かったので、「せっかくだから単純な学校紹介じゃなくクイズ形式にして、この学校がどこなのか予想してもらおう」と思い立ちました。要するに学校名を含む紹介は最後の回に載せますが、それまでの回には僕が見学を通じて考えたこと感じたことを書き連ねていくという流れです。
ちなみにあくまでも”僕”が考えたこと感じたことなので、完全に僕の主観であるということを忘れないで読んでください(要するになんか言ってること変でもあまり気にしないでください)。
それではいきましょう。
・僕が見学を通して色々感じた後、考えたこと
「この学校は何かに似ている気がするが、何にだろう?。。。あ、そうだ。。。この学校には。。」
①一般的な民主主義社会(日本等)に似ている点がある
→コミュニティ(この場合学校ですが)に所属するメンバーには「公平で平等な権利」が保証されており、また同じコミュニティに所属する他者の権利を侵さない義務やコミュニティ内のルールに則り行動する責任が負わされている。
→もう少し具体的に言うと、ルール(一般社会で言う法律)を自分たちで決めることができる。その際には国連でも採用されているロバート議事法を用いて議論を進め、徹底的な話し合いの後、3分の2以上の決議により結論を導き出す。またこの学校には「話し合いを尽くすまで採決は取らない」というルールがあるそうだが、そのルールも自分たちで決めたそう。めっちゃ徹底している。
→そして学校で必要だと思われるもの(新しい設備等)があれば、スクールミーティングに議題として提出し、議論し、予算を取り、購入する。これはまさに一般社会でいうインフラ整備。
②一般企業に似ている点がある
→誰でも学校の経営状況を示す財務諸表を始めとする情報に(しかも簡単に)アクセスすることができる。これは上場していれば財務情報を公開する義務がある一般企業と同じ(インターネット上で簡単に閲覧できる)。
→やってみたいことがあれば新規プロジェクトとしてミーティングに提出し議論を経て予算を取ることができる。実例として、この学校の7歳の生徒さんがある時「工作部を作りたい」と思い立ち、さっそくミーティングに議題として上げ、協賛者を募り、最終的に月1000円の予算を取ったということがあったそう。それってまさに社内プロジェクトそのもの。
③一般社会にも一般企業にも似ていない点がある
→権力者がいない(建前じゃなく本当に)。つまり校長も先生もいない。とりあえず学校の代表理事という肩書のスタッフはいるがその方もそのコミュニティ内では生徒と同列。つまりもし多数の生徒たちに「あなたは要らない」と言われればすぐにでも去るしかない立場にいる。一読してわかる通り、ひたすら縦ではなく横な人間関係、しかも限りなく一直線に近い横。
→結局このようなスタイルが可能な理由としては、この学校がかなり小規模(生徒数が数十人)であることと、企業のように(株主の為の)利益を追求するのではなく、そのコミュニティに所属する各個人の自由とそのコミュニティ自体の維持を追求していること、が挙げられると思われる。
④(おまけ)狩猟採集民族に似ている点がある
→具体的に言うと、まず各個人がそれぞれ独立してコミュニティ内で平等な権利を持っている点、次に暴力ではなく話し合いで物事を決定する点、そして最後に個人の自由活動に使える時間が長い点。
→例えばアフリカのタンザニアに住む狩猟採集民族であるハッザ族は、数十人規模の小さなコミュニティを作って遊牧生活を営んでいるが、彼らのコミュニティには特定の権力者(族長や祭祀を執り行う人)がおらず、基本的に全員が同等な立場である(年長者を敬うことはあるそう)。つまり各個人が何をするかはそれぞれの裁量に任されていて、誰かに命令されたりということはない。
→そしてもしコミュニティ内でトラブルが発生すれば、暴力ではなく話し合いでの決着を試みる(もしどうしても不和が決定的であれば当事者たちが別のコミュニティに移動するという)。実に平和的。ちなみに狩猟民族の多くは実は非戦闘的である。それはその社会性質上コミュニティの規模が大きくなりにくく、戦闘で死傷者を出しているとすぐにその民族自体が滅んでしまうからだそう。まあかつては戦闘的な狩猟民族もいただろうが、悠久の歴史の中で滅んでいったというのが正解のよう。
→また狩猟採集民族は農耕民族のように食物を継続的に育てない為、ひたすら日々の食料確保に時間を使っているイメージがあるが、実は実際の食料確保時間は活動時間の約30~40%ほどで、それ以外の時間は(もちろん民族によって違うが)会話をしたり歌を歌ったり等の自由な活動に費やすそう。このような時間の使い方はこの学校の生徒たちの時間の使い方と重なるように感じた。要するに、個人が各々の責任で思い思いの時間を過ごし、それについて誰からも文句を言われることがないのである。
以上、僕が見学後に考えたことでした。まあさすがにこの情報だけでは学校名を特定することは難しいかもしれませんね。でもこの学校の重要な特徴(好きなことに時間を使ってもいい、ルールは自分たちで作り守る、話し合いで物事を決定する等)がばんばん出てきたので、そこからググっちゃえばわかるかもしれません。
では次回は「僕が見学中に感じたこと」を書いていきます。お楽しみに!
作者:兼子仁志
編集部